アビアンガをまだ体験したことがない方に、
「どんな施術ですか?」
と聞かれるたび、私はどう伝えたらいいのだろうと考えます。
心地よい。
気持ちいい。
癒される。
そんな言葉だけでは足りません。
アビアンガを一言で表すなら、
「身体の内側まで満ちていく感覚」
なのです。
信じられないほどたっぷりの温かい薬草オイルに全身を包まれ、
まるでオイルの海に身体をゆだね、
静かに漂っているような感覚になります。
そして最後に受けるスエーダナ(薬草ミストサウナ)。
身体がじんわり温まり、
オイルは汗と混ざり合って乳化し、
シャワーを浴びる頃には驚くほどさらりとした仕上がりへと変わります。
「こんなにたくさんのオイルを使ったのに、重たくない。」
「オイルに優しく包まれて、夢見心地でした。」
初めて体験された方から、
そんなお声をいただくことがよくあります。
施術の翌朝、
「びっくりするくらい、するっと自然なお通じが出ました。」
そんなご報告をいただくことも少なくありません。
アーユルヴェーダでは、
骨盤から下へ向かう働きを
アパーナ・ヴァーユと呼びます。
排便や排尿、月経、出産など、
「外へ出す力」を担う大切な働きです。
アパーナ・ヴァーユが整うことで、
排便だけでなく、排尿や月経など、
骨盤まわりの健やかな働きにもつながると
アーユルヴェーダでは考えられています。
この働きは、乾燥や疲労、加齢、ストレスなどによって乱れやすくなります。
温かなオイルの油性は乾きを潤し、
アビアンガのやさしいリズムは滞った流れを整えます。
その結果、本来の「下へ流れる力」が発揮されやすくなるのです。
想像してみてください。
長い年月使い続けたホース。
乾燥してひび割れ、
硬くなり、
思うように曲がらなくなっています。
水を流そうとしても勢いは弱く、
流れも悪くなります。
私たちの身体も、実は似ています。
若い頃はしなやかだった身体も、
年齢を重ねるにつれて
少しずつ乾き、硬くなり、
本来あるはずの滑らかさや弾力を
失っていきます。
筋肉も、関節も、皮膚も、そして腸も。
年齢を重ねるということは、
それだけ長く身体を使い続けてきたということ。
だからこそ、手入れが必要になるのです。
アビアンガは、
その乾きを補い、
しっとりとした柔らかさを保つための
養生です。
身体を外から磨くだけではなく、
内側から潤いを思い出させてくれる時間でもあります。
私たち女性は、
外から見える部分のお手入れには、
とても時間をかけます。
化粧水をつけ、
美容液を塗り、
髪を整え、
爪を磨く。
けれど、
見えない身体の内側こそが、
外側の美しさを支えています。
肌の艶も、
髪の質も、
爪の強さも。
それらはすべて、
身体の内側の状態を映し出しています。
だから
見えないところこそ、丁寧に手入れをしてあげたい。
年齢を重ねても、
腸はぷるんと柔らかく。
身体の内側まで潤いが巡ることで、
自然と
表情にも、
肌にも、
心にも
艶が宿っていきます。
年齢を重ねるほど、
私たちの身体は
「頑張ること」よりも、
「満たすこと」を必要とするようになります。
アビアンガは、
美容のためだけでも、
疲れを取るためだけでもありません。
これから先も、
この身体と心地よく付き合っていくための、
大人の養生なのです。


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